【登辞林】(登記関連用語集)


[こ]

小切手保証 第三者が、小切手上の債務の支払を担保すること(小切手法第25条)。小切手保証は、小切手又は補箋に保証する旨を記載して保証人が署名して行い、小切手の表面にした単なる署名は、小切手の振出人のものを除き、小切手保証とみなされる(小切手法第31条第1項〜第3項)。保証人は、被保証人と同一の責任を負い、債務の方式の瑕疵による場合を除き、担保した債務が無効であっても、小切手保証は有効とされる(小切手法第32条第1項、第2項)。(→保証)(→手形保証

国債 国が財政上の必要から負担する債務で、国が債務者となる公債。通常は、そのうち証券形態で発行されるものをいう。建設国債、特例国債、借換国債、財政投融資特別会計国債といった種類があり、それぞれ法律に基づいて発行される(財政法(昭和22年3月31日法律第34号)、平成20年度における公債の発行の特例に関する法律等、特別会計に関する法律(平成19年3月31日法律第23号))。(→地方債

国際協力銀行 (1)東京都千代田区大手町一丁目4番1号。国際協力銀行法(平成11年4月23日法律第35号、平成20年10月1日廃止)に基づき、平成11年10月1日設立。平成20年10月1日、株式会社日本政策金融公庫法(平成19年5月25日法律第57号)附則第18条第1項の規定により解散し、国際金融業務に係る権利・義務は、(株)日本政策金融公庫に承継され、海外経済協力業務に係る権利・義務は、(独)国際協力機構に承継された(独立行政法人国際協力機構法附則(平成18年11月15日法律第100号)第2条)。
(2)(株)日本政策金融公庫の国際金融業務を取り扱う部門。法人としての国際協力銀行(1)は解散したが、(株)日本政策金融公庫の一部門として、その名を残すこととなった。

告訴 犯罪の被害者その他一定の告訴権を有する者が、犯罪事実を申告し犯人の処罰を求める意思表示。告訴は、書面又は口頭で、検察官又は司法警察員に対し行う。一般には捜査の端緒に過ぎないが、告訴がないと公訴を提起できない犯罪類型(親告罪)においては、告訴が告訴期間内にされていることが訴訟条件となる。告訴期間は原則として、犯人を知った日から6か月であるが、一定の性犯罪の告訴等においては、告訴期間が撤廃されている(刑事訴訟法第235条)。

告発 犯人及び告訴権者以外の第三者が、犯罪事実を申告し犯人の処罰を求める意思表示。告発は誰でもすることができ、書面又は口頭で、検察官又は司法警察員に対して行う。公務員は、職務を行うことにより犯罪を知ったときは、告発をしなければならない。告発がないと公訴を提起できない犯罪類型が例外的にあり、公職選挙法(昭和25年4月15日法律第100号)第253条に定める選挙人等の偽証罪、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律((独占禁止法)昭和22年4月14日法律第54号)第89条〜第91条に定める罪(同法第96条)等がある。

国民金融公庫 昭和24年6月1日設立。平成11年10月1日、国民生活金融公庫に名称変更。

国民生活金融公庫 東京都千代田区大手町一丁目9番3号。国民生活金融公庫法(施行時名称は、国民金融公庫法。昭和24年5月2日法律第49号、平成20年10月1日廃止)に基づき、昭和24年6月1日設立。平成11年10月1日、国民金融公庫法の一部を改正する法律(平成11年5月28日法律第56号)附則第3条第1項により、環境衛生金融公庫の権利・義務を承継し、国民金融公庫から名称変更。平成20年10月1日、株式会社日本政策金融公庫法(平成19年5月25日法律第57号)附則第15条第1項の規定により解散し、国民生活金融公庫の権利・義務は、(株)日本政策金融公庫に承継された。

(独)国民生活センター 国民生活の安定及び向上に寄与するため、総合的見地から、国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行うことを目的として設立された独立行政法人独立行政法人国民生活センター法(平成14年12月4日法律第123号)第3条)。 以前は特殊法人であったが、平成15年に独立行政法人化された。国民に対して国民生活の改善に関する情報を提供すること、国民生活に関する国民からの苦情、問合せ等に対して必要な情報を提供すること、行政庁、団体等の依頼に応じて国民生活に関する情報を提供すること、国民生活の実情及び動向に関する総合的な調査研究を行うこと、国民生活に関する情報を収集すること、等の事業を行っている。

国民の休日 ある日の前日及び翌日が「国民の祝日」で、その日が「国民の祝日」でない場合に休日となる日(国民の祝日に関する法律(昭和23年7月20日法律第178号)第3条第3項)。法令上は、単に「休日」と表記されているが、「振替休日」と区別するため、一般に「国民の休日」と呼ばれる。

国民の祝日 国民の祝日に関する法律(昭和23年7月20日法律第178号)第1条において、「日本国民がこぞって祝い、感謝し、又は記念する日」と定義され、「国民の祝日」は、休日とされる(同法第3条第1項)。「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日が休日(いわゆる「振替休日」)となる(同法第3条第2項)。ある日の前日及び翌日が「国民の祝日」で、その日が「国民の祝日」でない場合、その日は休日(いわゆる「国民の休日」)となる(同法第3条第3項)。
「国民の祝日」は、以下のとおりである(同法第2条)。
元日(1月1日)、成人の日(1月の第二月曜日)、建国記念の日(政令で定める日。(建国記念の日となる日を定める政令(昭和41年12月9日政令第376号)により2月11日)、春分の日(春分日。3月20日頃)、昭和の日(4月29日)、憲法記念日(5月3日)、みどりの日(5月4日)、こどもの日(5月5日)、海の日(7月の第三月曜日)、敬老の日(9月の第三月曜日)、秋分の日(秋分日。9月23日頃)、体育の日(10月の第二月曜日)、文化の日(11月3日)、勤労感謝の日(11月23日)、天皇誕生日(12月23日)
4月29日は、当初「天皇誕生日」であり、平成元年に「みどりの日」となり、平成19年に「昭和の日」となった。

(独)国立印刷局 日本銀行券の製造、官報その他の政府刊行物の編集・印刷・普及、国債証券、印紙、郵便切手、郵便葉書、旅券等の製造等を行う特定独立行政法人独立行政法人国立印刷局法(平成14年5月10日法律第41号)第3条、第11条、第4条、独立行政法人通則法(平成11年7月16日法律第103号)第2条第2項)。財務省印刷局を改組して平成15年に設立された。

国立国会図書館 国会法(昭和22年4月30日法律第79号)第130条及び国立国会図書館法(昭和23年2月9日法律第5号)に基づき、国会議員の職務の遂行のため、又、行政及び司法の各部門並びに国民に対し、図書館奉仕を提供することを目的として、昭和23年に設置された唯一の国立図書館。国会に附属する機関で、東京本館及び関西館からなる中央図書館と、国際子ども図書館、東洋文庫、その他26の行政・司法機関に設置された図書館からなる支部図書館で構成される。国立国会図書館法に定められた納本制度により、日本で出版された全ての出版物等を保存することとなっている。

小商人(こしょうにん) 商人のうち、営業の用に供する財産につき最終の営業年度に係る貸借対照表(最終の営業年度がない場合にあっては、開業時における貸借対照表)に計上した額が、50万円を超えないもの(商法第7条、商法施行規則第3条)。 小商人には未成年者登記後見人登記、商業登記、商号に関する登記、商業帳簿、支配人に関する登記に関する規定は適用されない(商法第7条、第5条、第6条、第8条〜第10条、第11条第2項、第15条第2項、第17条第2項前段、第19条、第22条)。

国会 国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関(日本国憲法第41条)。国会は、衆議院及び参議院の両議院で構成される(二院制。日本国憲法第42条)。国会は法律の制定のほか、予算についての議決、条約の締結の承認、内閣総理大臣の指名等を行う(日本国憲法第6条1項、第59〜第61条参照)。国会には、常会、臨時会、特別会とがあり、常会は毎年1回1月に召集され、臨時会は、いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求がある場合に召集され、特別会は、衆議院が解散されたときに、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に召集され、常会と併せて召集することができる(日本国憲法第52〜第54条。国会法(昭和22年4月30日法律第79号)第1条第3項、第2条、第2条の2)。国会には罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所が設けられる(日本国憲法第64条)。(→内閣

国家賠償法 昭和22年10月27日法律第125号。国又は公共団体の不法行為における損害賠償に関して規定した法律。国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責任を負う(同法第1条第1項)。この規定は、民法の使用者責任民法第715条)と同趣旨である。日本国憲法第17条参照。
道路、河川等、公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責任を負う(同法第2条第1項)。この規定は、民法の工作物責任(民法第717条第1項)と同趣旨であるが、対象物は「道路、河川その他の公の営造物」であり、民法の「土地の工作物」に比べ、その範囲は、はるかに広い。
(→審査請求

国庫 国を司法や行政等の公権力の主体としてではなく、財産権の主体としてみた場合の呼称。

固定資産課税台帳 固定資産税を課するため、市町村に備えられる、「土地課税台帳」「土地補充課税台帳」「家屋課税台帳」「家屋補充課税台帳」「償却資産課税台帳」の総称(地方税法第341条9号)。(→名寄帳

固定資産税 固定資産(土地、家屋、償却資産)の所在地の市町村が、賦課期日である毎年1月1日現在の固定資産の所有者等に対して課す地方税(地方税法第341条〜第343条、第359条)。固定資産が土地又は建物の場合の所有者等とは、原則、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者のことを言うが、一定の場合には、使用者等、他の者が所有者とみなされることがある(地方税法第343条)。公共の用に供する道路(地方税法第348条第2項5号)等、一定の固定資産に対しては、固定資産税が課税されない(地方税法第348条第2項)。住宅用地に対する固定資産税については、一定の場合にその課税標準額が減額される(地方税法第349条の3の2、地方税法施行令第51条の11、第51条の12、地方税法施行規則第12条、第12条の2)。固定資産税の標準税率は、100分の1.4である(地方税法第350条)。課税標準額が土地については、30万円、家屋については20万円に満たない場合においては、原則、固定資産税が課されない(地方税法第351条)。(→都市計画税

コマーシャル・ペーパー(commercial paper) 企業が短期の資金調達を目的として発行する無担保約束手形。「CP」と略される。

コミットメント・ライン(commitment line) 金融機関が取引先に対して、予め定められた期間・限度額の範囲内で設定する融資枠。"commitment"は、拘束、約束、確約などの意味。通常、企業が金融機関に対して融資を申し込むと、金融機関は審査を行い、融資が可と判断すれば、融資を実行するが、審査のために一定の期間を要し、企業の緊急な資金需要に対応できない。コミットメント・ラインを設定することにより、金融機関は融資をする義務を負い、企業は融資枠の範囲内で自由に借り入れをすることができ、迅速な資金調達を行うことが可能となる。
このコミットメント・ライン契約には、融資枠に対して手数料(コミットメント・フィー)が発生するが、借入残高の額によっては、「利息制限法」(昭和29年5月15日法律第100号)、又は、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)」昭和29年6月23日法律第195号)違反になりうるという問題が指摘されていた。この問題については、平成11年に「特定融資枠契約に関する法律」(平成11年3月29日法律第4号)が施行され、立法的に解決された。コミットメント・ライン契約が同法に定義する「特定融資枠契約」に該当する場合には、当該契約に係る手数料については、利息制限法第3条及び出資法第5条第7項の規定(みなし利息)は適用されない(特定融資枠契約に関する法律第3条)。

固有の商人 自己の名をもって商行為をすることを業とする者(商法4条1項)。店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者で、商行為を行うことを業としない者であっても、商人とみなされる者(擬制商人)に対する表現。会社は全て固有の商人である(会社法第5条参照)。(→小商人

雇用 当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって効力が生じる契約(民法第623条)。実際の雇用のほとんどは、労働基準法その他の特別法の適用を受け、民法の規定は修正されている。例えば、民法上、当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者はいつでも解約の申入れをすることができ、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了することとされているが(民法第627条第1項)、労働基準法においては、使用者は、労働者を解雇しようとする場合、少くとも30日前にその予告をするか、30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないとされている(労働基準法第20条第1項)。

コロン(colon)[:] 句読点のひとつ。

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